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ふくしま被災地視察&相馬野馬追観戦ツアー2017 vol.1
2017年8月4日

7月29、30日で毎年恒例の福島ツアーを実施しました。

今回のタイトルは「ふくしま被災地視察&相馬野馬追観戦ツアー」でした。

20代~70代までの約40名の方にご参加いただき、一緒に福島のリアルな「今」を学ばせていただきました。

 

今年のコンセプトは「復興」と「雇用」です。

これまでは福島の被害状況や避難生活を送る方など「被害」に焦点を当ててきましたが、今回は6年がたった今、地元の人々が震災をどのように受け止めどのように「復興」を目指して取り組んでいらっしゃるのかを知るため、地元で再興のために尽力する地元企業や工場を訪れました。

また、もう一つのメイン「相馬野馬追観戦」では、震災以来7年ぶりに「騎馬武者行列」が行われるなど、インフラや街並みだけでなく伝統行事も本来の姿を取り戻しつつあります。

 

そんな充実した1泊2日の様子をお伝え致します。

 

7月29日(土)

【東京駅集合】昨年は福島の郡山駅に集合でしたが、今回は東京から全員そろって出発です。

 

 

 

 

 

 

 

【福島県双葉郡川内村に向けて出発】

道中、CheFuKoについてや福島の避難区域の現状などについてお話致しました。

ツアー参加者の多くは震災後に東北地方を訪れたことがある方ばかりで、とても意識が高い方たちなのだという印象を受けました。

 

 

福島ののどかな田園風景が広がります。原子力発電所の事故以来、試験的にではありますが徐々に稲作が復活しつつあります。

 

 

 

 

一方で道のところどころに、1立方メートルの黒い袋の山を見かけました。これは除染のために取り除いた表土などを入れた「フレコンバッグ」です。何百というフレコンバッグが地面を覆い隠しているのが現状です。

 

 

 

【お蕎麦屋 「天山」にて昼食】

川内村の帰村宣言が出されてからすぐに地元に戻りお店を始めたという「蕎麦酒房 天山」。今回は団体でお邪魔したため、時間がたっても麺が伸びる心配のないお弁当をご用意いただきました。また、プラスしてお椀に1杯ずつお店自慢のお蕎麦を出してくれました!10割そばで、とても風味が良くおいしかったです。

長屋づくりのとても趣あるお店です。

 

 

 

 

【コドモエナジー株式会社川内第一工場 視察】

施設見学の1か所目です。「コドモエナジー」は環境商材メーカーとして省エネ建材などを開発している大阪府の会社ですが、社長の岩本泰典氏が震災後に復興・再興に取り組む川内村の姿を目にし、川内村に貢献しようとここに工場を設立しました。

同社の代表商品である「ルナウェア」は有田焼の技術と畜光性能素材を組み合わせた畜光・蛍光建材で非常口のセーフティーサインなどに用いられています。

工場内にはルナウェアを使用したあらゆる製品が展示されているショールームがあり、数人ずつ入れてもらいました。部屋の電気を消すとルナウェアが緑やブルーの光を放ち、寒色系の涼やかな光が部屋を照らました。参加者の方々は「すごい」「きれいね」と口々におっしゃり、感動された様子でした。

 

また、この日は運良く社長さんが工場にいらっしゃったので、工場の建設当時や川内村に対する思いをお話いただきました。「ここに来た見学者自分たちがやっていることを理解し、発信してこの地に来る人が増えてくれれば良い」「いつまでも『被害』と言っていては進めない。前を見ることが大切だ」という言葉に力強さを感じました。

お邪魔した土曜日は本来なら工場は休業ですが、ツアー見学が来るということで機械を動かして作業の一部公開してくださいました。

 

 

 

工場長が製品ついて丁寧に説明してくださいました。

 

 

 

ショールームに飾られているルナウェアを使ったサイン色紙です。著名人のもの、英語やタイ語で書かれたものもありました。

 

 

 

 

 

 

電気を消すと寒色系に光ります。

 

 

 

 

 

「大変なことは多いけれど、それを笑いながらやりつづけることが責任世代の役割」と話す岩本社長。

 

 

 

【南相馬ソーラー・アグリパーク視察】

 

 

 

 

 

 

2件目の施設訪問は南相馬市にある「南相馬ソーラー・アグリパーク」です。こちらは福島の明日の担う人材「あすびと」の育成を目的に、小学生から社会人まで幅広い世代を対象にした社会科見学や研修会を行っています。代表理事である半谷栄寿氏は2010年まで東京電力の執行役員を務めていらっしゃいました。翌年に起きた福島第一原子力発電所の原発事故に対する責任感と、生まれ育った南相馬市の復興に貢献したいという2つの思いから同施設を立ち上げました。

当日、半谷さんは東京の事務所にいらっしゃったためテレビ電話でお話いただきました。

半谷さんは子どもたちに「発表を躊躇しない力」をつけてほしいという思いを強く持たれていて、アグリパークでエネルギーにまつわる職業体験をすることで、自分で考え行動する大切さを伝えています。

この施設を通じて、未来を担う人材を福島から生み出すことを目標にされています。

 

 

 

 

 

お話の後、小雨が降っていましたがせっかくなので外に出て水力発電装置とソーラーパネルを見せていただきました。

 

 

井戸のようにポンプを手で漕ぎ、その動力で電気を作る水力発電装置です。

 

 

 

このタンクは150ℓの水を貯めることができ、その水を落とすことで電気をつくります。15秒間一生懸命ポンプをこいで作れたのは25ワットほど。

スタッフの方から「ホットプレートを使うには800ワットも必要」と聞き、参加者たちはとても驚いた様子でした。

ちなみに25ワットでできることは、タブレットの充電やパソコンを立ち上げることだそうです。

普段どれほどエネルギーに助けられているのかを体感する良い機会になったのではないでしょうか。

 

 

参加者の実際に発電を体験してみます。

 

 

 

ソーラーパネルです。作った電気は一部を蓄電したり東北電力に売電したりしています。

電気用の太陽光を集めるのは5、6月が一番効率的とのこと。夏が一番良いのかと思っていましたが温度が上がりすぎると、かえって良くないそうです。意外な事実でした。

 

 

【親睦会】

今回お世話になる相馬市の「ホテルみなとや」で親睦会を兼ねた夕食です。

席順は昨年同様くじ引きで。ほかの参加者の方同士交流してもらう狙いです。

一人一人自己紹介となぜこのツアーに参加したか、ツアーを通じて何を学びたいかなどを語っていただきました。

 

 

 

 

 

 

翌日、30日の様子はvol.2でお伝えします。

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