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ふくしま被災地視察&相馬野馬追観戦ツアー2017 vol.2
2017年8月4日

続きまして、7月30日(日)のご報告です。

 

【レクチャー会】

今回は2名のゲストにお話をしていただきました。

①NPO花見山を守る会 高橋真一代表

「花見山を守る活動と復興支援」と題して「花見山を守る会」とは何か、震災発生以降取り組んでいるさまざまな事業についてお話いただきました。

 

震災で両親を亡くし就学や生活が苦しい子どもへのサポート、全国から集まるボランティアの受け入れやハブ機能などを展開している多種多様な事業をご紹介いただきました。

当初、代表自ら被災者の家を訪れ必要な支援物資を無償配布していましたが、本当に必要なものだけを選んで持って行ってほしいと、途中から低価格で売るバザーに切り替えました。

これらの活動は全て「地元のために」「誰かのために」という想いで行動されているとのことでした。

「自然と触れ合い、人とのつながりを大切に活動して、震災孤児や被災者の自立に向けたサポートを続けていきたい」。それが高橋さんの思いです。

 

②福島学院大学 杉浦広幸教授

杉浦教授は、「原発事故から6年 福島のこどもたちと放射能の影響」について講演してくださいました。

 

 

 

 

 

 

現在の福島の放射線量は全体的に減少しているが、雨など自然に流れたアスファルト道路に対して芝生や土は除染しないとなかなか放射線セシウム汚染が下がらないなど場所によって違いがあります。

放射能の影響として最大の不安要素である一つ、食品についても詳しくお話いただきました。果樹の放射性セシウム濃度は低下しているものの、ワラビなどの山菜は土壌が酸性で吸収できないと植物がセシウムを吸ってしまうため注意が必要だということです。

 

また、同じ県内でも自治体によって原発事故に対する姿勢や除染への取り組みに差があるため、隣同士の市町村できれいに除染をほどこしている地域とそうでない地域があることを伺いました。中には子どもがカブトムシの幼虫を探そうと、62,000シーベルトの土の中に手を入れてしまった事例がありました。

 

今回のレクチャーは昨年より1時間ほど早くスタートしましたが、参加者の皆様はとても意欲的にお話を聞いていらっしゃいました。

 

【相馬野馬追観戦】

いよいよ、このツアーの最後で最大のメインイベントである野馬追観戦です。

 

相馬野馬追とは、千年以上も昔に相馬氏の遠祖とされる平将門が現在の千葉県に放した野馬を敵兵に見立てて軍事演習に応用したことが始まりとされています。その後相馬氏が現在の南相馬氏に移ってからもこの行事を伝承し、現在では国の重要無形民俗文化財として、毎年約20万人が訪れる東北地方を代表する祭りの一つとなっています。

 

祭りは3日間に渡って行われ、出陣、お行列、甲冑競馬と行事も多様ですが、ツアーでは2日目に行われた甲冑競馬と神旗争奪戦を観戦しました。

 

この日は朝から天気がぐずついており、雨の中での観戦を覚悟して向かったのですがバスを降りるころにはピタリと止み、薄日も差し始めました。

席に着くころには、日差しが強く気温も上がり雨対策ではなく日光対策が必要な陽気になりました。

(途中のコンビニで急きょビニール傘を買った人、残念!!)

 

会場に入ると人々の歓声や馬のいななきなどが四方から聞こえ、とても活気あふれる様子でした。

 

 

 

 

 

 

数頭の馬が俊足を競う「甲冑競馬」。

螺(かい)の音が場内に響くと、開始の合図です。武者たちは白鉢巻を締めて気合を入れ、馬に跨ると先祖伝来の旗指し物をなびかせて疾走します。

 

 

 

 

 

 

優勝した騎馬は「馬券」を受け取り、口にくわえたり鉢巻に差したりして「羊腸の坂」と呼ばれる曲がりくねった上り坂を一気に駆け上がります。

 

「甲冑競馬」が終わると今度は相馬野馬追の最大の呼び物といわれる「神旗争奪戦」の始まりです。

これは、空中に炸裂した花火の中からゆっくりと舞い落ちる2本の御神旗を地上で待ち構え、奪い合う競技です。旗の下に群がり、鞭を振りかざす奪い合いは戦さながらの気迫です。

 

 

 

 

 

 

旗を目指して、夏草が茂る雲雀ヶ原の一面を数百の騎馬武者が駆け巡ります。

 

旗を手にした人は、「甲冑競馬」と同様に「羊腸の坂」を目指します。

 

 

 

 

奪い取った御神旗を掲げ、観客の歓声を浴びつつ意気揚々と坂を駆ける勇姿は迫力満点です。

 

 

 

 

 

 

 

野馬追は、震災直後こそ来場者が相当数減りましたが今では震災前の活気を取り戻しています。騎馬武者行列が復活するなど、福島の復興のたくましい足音が聞こえてきています。

元気を取り戻して前を向いているところ、まだまだ復興には時間がかかるところ。一言で「ふくしま」といってもその現状は一枚岩ではありませし、人によって、地域によって抱えている課題も感情も違います。だからこそ私たちは、自分たちの目で現地を見ること、また一人でも多くの人に見ていただくことが何よりも大切だと考えています。

 

こうした福島の「今」を知り、楽観することも悲観することもなく現状をリアルに捉えることで、少しでも福島の方々の助けになるような支援を続けていきたいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

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