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ブログ先日からお伝えしていた「ベネズエラ・アルゼンチン国家破産の全貌を知る」の講演会を1月24日に開催致しました。約80人の方々にお集まりいただき経済危機に陥ったベネズエラの逼迫した国民の暮らしや、そこから逃れてアルゼンチンなど他のラテンアメリカ諸国で暮らす人々の様子をお伝えしました。主にアルゼンチンで出会ったベネズエラ出身者のインタビュー映像を中心にお見せしましたが、現在もベネズエラにお住まいの方や先日まで同国で暮らしていた方にも登壇いただき、当事者としての生の声をお聞きかせいただきました。
講演会でははじめに、経済ジャーナリストである浅井隆からベネズエラの経済を直撃した自国通貨のハイパーインフレや国家破産の影響について、昨年12月に取材に訪れたアルゼンチン、キューバでの現地体験を交えながらお話しました。
その後、浅井とともに現地取材に出かけた樺沢よりアルゼンチンでの取材内容を中心にお伝えしました。
アルゼンチンには、現在多くのベネズエラ人が職を求めて渡って来ています。母国では会社経営をしていたり弁護士として働いていた人々がドライバーやスーパーでの商品陳列など、何とか見つけた職に就き、残してきた家族に仕送りをする人がほとんどです。中には、医療費と教育費が無料であるアルゼンチンで、何とか子どもに教育を受けさせたいと子どもを連れて来る家族もいます。ベネズエラでは医療機関もまともに機能しておらず、また子どもたちは学校へ行くよりもその日に食べるものを探すことが最優先で十分な教育を受けられない状況です。
一人一人、事情は異なりますが、皆ある日突然これまでの生活を奪われてしまいました。そうした人々の現状を少しでも参加者の方々に知っていただけたのではないでしょうか。
また、最後には先日までベネズエラで暮らしていた日本人の母親をもつ女性とそのパートナーである男性にも現地での生活や貧困にあえぐ人々の様子をお伝えいただきました。
このお二人は首都・カラカスで社会福祉活動もしていて低所得者層の家族の子どもに教育や課外活動など様々なプログラムの機会を提供していらっしゃいます。その活動の中で、カラカスにあるPetare(ペタレ)というスラム街に住む10代の子どもたちの過酷な環境について話していただきました。例えば、15歳のとても賢い男の子はアイデンティティーカード(日本でいう戸籍)が無いために一度も学校に通えていないそうです。また14歳、13歳の兄弟は母親がドラッグに溺れて2人の世話を放棄してしまいました。一方で両親とも仕事についていても給料が低く、ペタレから抜け出せない家族もたくさんいます。
そうした厳しい状況下で懸命に生きる人々の現状を彼らの助けを借りて少しでも皆様にお伝えできていればと思います。
また、最後にはベネズエラ支援として寄付のお願いをいたしましたが、49人の方に合計で196,550円の支援金をいただきました。こちらは必ずベネズエラで踏ん張る人々の助けになるように使用させていただきます。ご協力くださった皆様、本当にありがとうございました。職員一同、感謝申し上げます。