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ブログネパール子どもインタビュー第3回は、CheFuKoが支援する児童養護施設ライジング・ロータスのErika Danuwar(エリカ・ダヌワール)さんに話を聞きました。
エリカは現在17歳、ネパール義務教育の最終学年の10年生です。彼女は8歳の時にライジング・ロータスにやってきました。施設で10年間を過ごしたことになります。
ネパールには「カースト」というヒンドゥー教における身分制度があります。エリカは低カースト出身です。低カーストは慣習的に社会での地位が低く、いろいろな場面で差別をされることがあります。教育が広まり、今は政府も差別をしないように伝えていますが、地方の特に農村部では色濃く残っています。
施設に来る前は・・・
エリカはネパール東部のウダイプルで生まれました。施設に来る前、エリカは故郷で祖母と弟と暮らしていました。父親は外国に出稼ぎに行っていて、その間に、母親は愛人を作って出て行ってしまいました。母親とはその後、一度も会っていません。父親はその後、出稼ぎから帰ってきましたが、出て行ってしまった母親に怒って、子どもの面倒を見るどころではなかったそうです。その頃、エリカは学校にも行っていませんでした。
父方の伯母がカトマンズにいて、ライジング・ロータス施設長のハリさんと出会う機会がありました。伯母さんはカトマンズで肉体労働をしながら暮らしています。彼女は、泣きながらエリカのことをハリさんに相談しました。
低カーストでは、女の子は15~16歳になったら同じカースト内で結婚をさせられます。従兄弟など、身近な肉親と結婚することも多いそうです。村にいたらエリカもその運命になってしまうと聞いて、ハリさんはエリカを受け入れることにしました。エリカは初めて長距離バスで乗って、父親と一緒にカトマンズに来ました。大きな街について、びっくりしたそうです。
勉強が出来なくて・・・
施設に来てから、エリカは学校に行くようになりました。衣食住の設備も整っていて、友達もできたそうです。
来たばかりの頃、彼女は文字を書くこともできませんでした。理解力が弱くて、勉強にもなかなかついていけなかったそうです。テストはいつも落第・・(泣)。学校の先生からも、勉強ができないと言われました。ハリさんはエリカに、君はどうするの?と問いかけながら見守り、勉強を見てくれる人も施設に呼んでサポートしました。エリカも「私、勉強する。何としてもやる!」と答え、努力を続けました。
ネパールでは通常3月末に学校が終わりますが、今年はコロナの影響で5月に学校が修了しました。学校が終わってから、義務教育終了後に受けるSEE(中等教育修了試験)を受けましたが、エリカの成績はB+でした。最初の頃は落第点しか取れなかった彼女がB+を取ったのはすごいことです。
エリカ、おめでとう!!!
施設での一番の思い出、趣味は?
施設で10年間を過ごした中で一番、楽しかったのは、施設にゲストたちが来た時です。日本人が来た時、折り紙やダンスを教えてくれたり、ゲームをしたり、いろいろな話を聞いたのがとても楽しかったそうです。
エリカの趣味は絵を描くこと、歌と踊ることです。好きな教科は英語とコンピューターです。
将来の夢は?
エリカはアートに興味があり、絵を描くことが大好きです。絵だけではなく、いろんな作品も作ります。将来はアートを学んで、人にアートを教える仕事をしたいそうです。施設を出てからは、エリカは伯母さんと暮らしながらアート・キャンパスで学ぶ予定です。
厳しい境遇に生まれたエリカですが、施設で10年間を過ごす中で知識を身につけ、自分の好きなことや夢も見つけました。これからどんな人生を歩んで行くのか、CheaFuKoスタッフ一同、応援しながら見守っていきます。
ネパール里親プロジェクトは、様々な家庭の事情で学校へ通うことができない子どもたちが安心して勉強を続けられるように応援するプロジェクトです。詳しくは、こちらをご覧ください。
―「ネパールの子どもたちへのインタビュー」担当より